近代文学における味わいとその香り

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<<   作成日時 : 2015/12/19 03:56   >>

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あおい (小学館文庫)
小学館
西 加奈子

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あおい

西加奈子


純文学☆☆☆☆
商業的☆☆☆
率直さ☆☆☆☆


本をパラパラと捲ると、良い香りがした。芳香剤というよりも、小綺麗な友人の家の醸し出す香りであった。普通、古本というのは無味無臭であるか、あるいは古びた本の渋い匂いがするものだから、驚いて何度も嗅いでしまった。しかし、後から考えてみれば、なんてことのない、小綺麗な友人の家の香り程度なのである。きっと前の持ち主は、血液型がA型だったんだろう。

西加奈子の本を読んだのは、本書で二冊目。数年前に「さくら」を読んだきりであった。「さくら」の読後、amazonのレヴューで「この季節にこの植物は生えない」という重箱の隅をつつくようなケチがつけられているのを見て、最初くだらないと思ったけれど、それと同時に夢から覚めたみたいに、所詮は頭の中で書かれた物語かとすっかり失望してしまい、他のも読んでみようという気が起こらなかった。

その重い腰を上げたのは、テレビ番組で又吉やその取り巻きが面白いと連呼していたからだ。出版会社の下手な広告的な側面や、あるいは西加奈子さん自身もよくテレビに出ているのでそのよしみのせいな気もしたけれど、とにかく読んでみようと思った。西加奈子のようなジャンルの小説は、多いようで少ない。

実際に読んでみて、当たりだと思った。読みやすいのに商業的でないところがいい。
数日前に、バイト先の塾で教えている中学三年生の長文でcandidという単語が出てきた。candidは中学生には不必要な単語だから、英文の下に「candid:率直な」と訳が書いてあった。その長文では、英語の授業で先生に「How are you?」と聞かれたときに日本人が「I’m fine thank you」としか答えないのに対して外国人は「I feel sick」などよりcandidな応え方をするというようにその単語は登場していた。僕は「あおい」を読んでいて、西加奈子はcandidな表現が上手いと感じた。ひとつひとつの言葉や感情をいま初めて知ったみたいなみずみずしい表現をする。

それともうひとつ、物語の終盤で少々ショッキングな事実が判明するのだけど、個人的にそれ必要?と言いたい。一気に胡散臭さ倍増というか。味薄いからとりあえず醤油ドバドバ入れてみました的な、カラオケ行ったらとりあえずオレンジレンジ歌っとくみたいな雑さと投げやりさが伺えて嫌だった(決してオレンジレンジを否定しているわけではない)



アクロバットな着地方法になるが、もう数冊読んでみようと思う。






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